時事通信社 「花でつながる」 笑顔は国境を越えて 新聞連載第10回
時事通信 掲載 「花でつながる」
◎連載10回目(笑顔は国境を越えて)
徳島新聞(2017.5.10)・島根日日新聞(2017.3.8) 掲載
花には国境を越えて人々をつなげ、笑顔にする力もあります。
数年ほど前、海外からの旅行客も多く宿泊する都内のホテルから、ガーデニングイベントの食事の席を飾るフラワーアレンジメントを依頼されました。イベントは米国や英国、スウェーデン、ベルギーなど10カ国の大使夫人が、それぞれの国のガーデニングを披露するもので、季節外れのバラや、日本では珍しい緑やオレンジのコチョウランなどが華やかに演出されました。
各国の伝統や趣をまとった庭で生き生きと咲く花々を見た来場者にも、「あっ!」と驚いてもらえる花の装飾を作らなければなりません。限られた予算の中で試行錯誤する中、10カ国の国旗をモチーフにプリザーブドフラワーを活用してアレンジメント作品を作るアイデアが生まれました。各国の国旗のデザインや配色をそのまま大輪のバラで表現できたら喜んでもらえるのではないか、と考えたのです。
思いは届き、驚いて見入り、足を止めてくれる人が何人もいました。中には気に入って 大使館に持ち帰ってくれた大使夫人もいたと聞き、とてもうれしく感じています。
花のおかげでたくさんの縁と笑顔に会えた事は何よりの宝物です。これからも多くの人と共に花で幸せを分かち合っていきたいと思います。(フラワーデザイナー・益子秀美)